エルマーのぼうけん

エルマーのぼうけん
5~6歳

『エルマーのぼうけん』は、ルース・クリスマン・ガネット作の児童向け書籍です。絵本ではありませんが、幼稚園や保育園では年長さんになると先生に読んでもらえる機会もあります。

日本での初版は1963年7月15日… それ以来、およそ60年にわたって子どもたちにの心をつかんで離さない、素晴らしい冒険ファンタジーです。

私自身、子どもの頃に親に毎日のように『エルマーのぼうけん』を読んでもらった記憶が今でもはっきりと残っており、いつもドキドキわくわくしながら、いつかエルマーのような冒険をしてみたいと思いながら聴いていました。ひょっとしたら、私が学生時代にバックパッカーをしたり留学したりしたのも、エルマーのぼうけんの影響があるのかもしれません。

この本の内容が素晴らしいのはもちろんのこと、装丁や挿絵にも一言触れなくてはいけません。理由はうまく言えないのですが、『エルマーのぼうけん』の絵は、子ども心になんとも惹かれるんですよね。

ちなみに、装丁や挿絵は作者の義理の母であるルース・クリスマン・ガネットによるものであり、彼女もまた有名な挿絵画家です。

『エルマーのぼうけん』は3部作となっており、『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』で構成されていますが、『エルマーのぼうけん』だけでも十分に楽しめます(3冊セットでの販売もありますが、セットだと4,000円ほどになります)。

 

『エルマーのぼうけん』の内容

『エルマーのぼうけん』の主人公はエルマー・エレベーターという少年で、この本の語り手の父親です(ちなみに原題は『My Father’s Dragon』となっています)。

ある日のこと、老猫に出会ったエルマーは、恐ろしいどうぶつ島で捕えられたかわいそうな竜の子どもの話を聞き、竜を助けるためにどうぶつ島に旅立つ決心をしました。

老猫の知恵を借りながら計画的に冒険の準備を行い、船にこっそりと乗船してなんとか“どうぶつ島”に降り立ちました。

エルマーはどうぶつ島でたくさんの恐ろしい動物たちと遭遇しますが、老猫から聞いた話と知恵を絞って苦難に立ち向かっていきます。そしてようやく竜の子どもの元へたどり着きますが…

物語の要約を書いているだけでもワクワクする内容です。それに素晴らしい挿絵が加わると、想像を掻き立てられた子供たちの心はすでにどうぶつ島で自分が冒険しているかのような錯覚に陥り、それこそいてもたってもいられなくなります。



ロングセラーの絵本でつながる親と子の絆

私は自分が『エルマーのぼうけん』が大好きでしたので、子どもが生まれた時には、必ずこの子が大きくなったら『エルマーのぼうけん』を読んでやろう!と心に誓いました。

ただ、多少先走って本を購入したのが長男が年中になった頃… さすがにちょっと早すぎて、それから1年待ちました。

するとある日、年長さんになった子どもが『今日、エルマーのぼうけんを読んでもらったよ!』と言いました。

すかさず私は、その日の夜から子どもに『エルマーのぼうけん』を読んであげることにしました。

その時の感動は、なんとも言えないものがあります。子どもと自分が、20数年の時を経て、同じ物語を読んでドキドキ・ワクワクを共有できる素晴らしい瞬間…

私が子どもの頃には『エルマーのぼうけん』しか読んでいなかったのですが、ここぞとばかりに続編の2冊をすぐに購入しました。

息子と楽しい時間を過ごせたのはもちろんのこと、3冊目を読んだ時に、長い時間忘れていた『あること』を思い出したました。

実は、エルマーのお母さんは猫が大嫌いで、エルマーが冒険に出たきっかけも、お母さんが猫にひどい仕打ちをしたことが原因でした。ところが、その後の老猫については『エルマーのぼうけん』では語られていなくて、私は老猫の事が気になっていたのを思い出したのです。

すると、3冊目『エルマーと16ぴきのりゅう』では、老猫がエルマーの家で飼い猫として可愛がられるようになっていた、という展開を知ってホッとしました。

言葉では語りつくせない、貴重な体験をこの本からたくさんもらった気がしました。







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